採卵

鶏5羽を飼ってから1年と少し、そのメリットとデメリットを書いてみる

鶏5羽を飼ってから1年と少し、そのメリットとデメリットを書いてみる

どーも、こんにちは。

獣がおらず、畑仕事で釣りにも行けてない、トシです。

 

最近我が家で食べてる「タンパク質」は、過去に捌いた猪と、買った魚、それから昨年4月から育て始めた「鶏の卵」です。

少し前に、ようやく鶏小屋の屋根が完成して形になり、鶏の世話にも慣れてきたので、今回は自宅で鶏を飼うメリット・デメリットについて書いてみます。

 

飼っている鶏はボリスブラウン3羽と名古屋コーチン2羽

 

鶏を飼い始めたのは2020年の4月末ごろから。

石川県内の某ペットショップに予約し、5羽のヒヨコを購入しました。合計13,000円ほど。

飼育目的は「タンパク質の自給」なので、いずれもメスです。

 

衣装ケース、ヒーター、湯たんぽ、段ボールなどを駆使しつつ、6-7月ごろに外の鶏小屋へ。

最初はどちらも可愛らしいヒヨコでしたが、餌が豊富だったのか半年ほどで成鳥に。ボリスブラウンは4ヶ月ほど経った9月始めから、名古屋コーチンは半年ほど経った10月末ごろには卵を産み始めました。

黄色いのが名古屋コーチン、茶色がボリスブラウン
白っぽいのが名古屋コーチン、茶色い卵がボリスブラウンの卵、名古屋コーチンの方が身体は大きいけれど、卵は小さい

 

鶏を飼うメリット

さて、そんな鶏を飼うメリットですが、思いつくところとしては以下になります。

 

①美味しい卵が手に入る

②雑草の芽を食べてくれる

③残飯や生ゴミが多少減る

④生き物が好きなら可愛い

⑤物々交換や贈り物のネタが増える

⑥卵に対する意識が変わる

 

まず、1つ目は当然ですね。鶏の卵が取れて食材が1つ増えます。もちろん味はgood!かなり旨味があります。

基本的に午前中に産むのですが、産卵周期は品種によって異なり、ボリスブラウンは「ほぼ毎日」、名古屋コーチンは「1、2日に1回」という感じですね。1日3〜4個、まれに5個という感じでしょうか。

烏骨鶏などになると「3、4日に1回」ほどだとか。希少ですね。

 

それから2つ目。

我が家では自宅裏庭の畑の一角に鶏小屋を作っているため、たまに野菜ネットで覆った場所で放し飼いにしています。

すると鶏は草の葉を食べるのですが、脚で土を掘り起こしつつ食べるので、多少草の生えた場所なら半日〜1日で草むしりした後のように綺麗になります。放し飼いの範囲を管理できるなら、雑草や虫の駆除をしてもらえますね。

 

3つ目。基本の餌はトウモロコシを主原料とする合成飼料ですが、それ以外にも「魚の内臓・頭」「肉片」「脂身」「野菜クズ」「食べ残したご飯」「果物の皮」「キャベツや白菜の外皮」など、通常であれば『生ゴミや残飯となるもの』であっても、鶏は喜んで食べます。特に動物性タンパク質は貴重なのか、取り合って食べるほど。

洗剤の混ざったものは与えられませんが、調理時に出た生ゴミなどは、それなりに減ります。エコ。

 

そして4つ目。ヒヨコはもちろん、成鳥になった鶏も可愛いものです。

あまり懐きはしませんが、餌をくれる人や餌が入っている容器には走り寄ってきます。抱き上げたり、撫でたりしても逃げませんし、生き物と触れ合うことが好きな人にとっては、なかなか堪らないかと思います。

また、近所に子供たちがいれば、触らせてあげたりすると大喜びされます。泣いてる子供も泣き止んで凝視したり。鶏強い。

 

5つ目。卵は人にあげると喜ばれます。猪肉と違い、まず嫌がる人はいません。(猪肉の方が希少なのですが…)

だから「物々交換のネタ」や「いただきものに対するお礼」などに最適で、それっぽい綺麗な箱に、それっぽく入れて送るだけで、ちょっとしたプレゼントにもなったりします。

卵はほとんどの人が食べますので、田舎暮らしには良いアイテムですよ。

 

最後に6つ目。

僕は、狩猟によって肉を得るようになってから、より食べ物を大切にするようになりました。それは『肉=命』だという事実を、命を奪って肉にする過程で感じたからです。

 

じつは鶏を飼い始めて、それと同じようなことを感じました。『卵も命』なんですよね。

産卵って、人で言うと生理です。血が出ますし痛みもあります。それは鶏も同じなのか、初めて卵を産んだ鶏がショックを受けて餌を食べなくなった時期がありました。”痛かったから”なのか、”自分からいつもと違うものが出てきたことがショックだったから”なのかは、分かりません。ですが、鶏がショックを受けてる様子を見て、また血にまみれた卵を見て、「命」を感じました。

当たり前のようにスーパーに並び、安く売られて入る卵であっても、頑張って産んだものを頂いているんですよね。それを知って以来、肉と同じくらい大切にしようと思うようになりました。

 

鶏を飼うデメリット

メリットを挙げたので、次は鶏を自宅で飼うことについてのデメリット…というか気になる点を。

タンパク質自給のために始めた鶏の飼育ですが、正直、コスパは悪いです。

 

①それなりの規模の鶏小屋がいる

②餌代が安くない

③メスでもうるさい

④糞の処理がそこそこ大変かも

⑤食卵癖が出ると最悪

⑥隣が気になる

旅行できない

 

1つ目から順番に見ていくと、まず飼育する鶏の数に応じて、それなりの広さの鶏小屋が必要となります。

僕は5羽を写真の小屋(広さは5m×2m)で飼育してますが、正直この大きさでは足りないようです。そのため、ネットで囲った場所を作り、昼間は外に出して自由にさせています。

場所が狭いとストレスを感じるのか、「いじめ」や「食卵(卵を食べてしまうこと)」が始まります。その影響で1羽の名古屋コーチンがいじめられっ子となり、群れから離れるようになってしまいました。もしかすると同じ鳥種なら、こんなことも起こらないのかも…?

 

2つ目。自給自足の一環で始めた採卵ですが、意外と餌代が安くありません。

特に今はコロナ禍で飼料が値上がりしてるそうで、以前は1ヶ月2,500円ほどだった餌代が、今では3,500円ほどになりました。

1ヶ月で取れる卵はおよそ100個ほどですので、1個35円、10個で350円と高級卵並みですね。

自給を目指して飼育・採卵するなら、その前段階として『餌の自給または独自調達が必要』でしょう。僕も何かしらの手を打とうと思っております。

 

3つ目。僕は飼う前に『「コケコッコー!」と大きく鳴くのはオスだけ、メスは鳴かず基本的には静か』と聞きました。

しかし、現実はメスもそれなりにうるさいです。日の出とともに「コォーー、コォッ!コォッ!コココ!(訳:餌くれや)」と鳴きますし、卵が産まれたタイミングでも同じように鳴き、さらにカラスや猫などの外敵が多い地域だと「コッコッコッコ!コケーッココココ!」と強く威嚇しつつ叫んだりします。しかも全員で。

餌を与えると鳴き止むので声が聞こえたら様子を見にいくのですが、夏至に近い時期だと4時ごろから鳴き始めるため、かなり辛いです。釣りで朝マヅメチャレンジ(3時起床)に慣れていなければ、精神的に参っていたかもしれません。

また、鳴き癖のある個体は何もなくても叫び出すため、お隣さんが近いとトラブルにもなりかねませんね。

 

やっと半分、4つ目。鶏を飼う前に、糞の処理方法を考えておきましょう。

鶏も生きているため糞が出ます。しかも結構な量の。糞なので当然臭いますし、放っておくとハエも寄ってきます。

養鶏場などでは鶏糞を集めて乾燥・発酵させて肥料としてますが、個人でそれは難易度高め。糞は雨などで濡れていると発酵が進みませんし、未発酵の鶏糞は土壌汚染などにも繋がりますので畑に直接撒くのも難しいです。事前に何かしらの処理方法を考えておく必要があります。

僕の場合は、鶏糞発酵用のコンポストを用意し、その中に砂と一緒に入れて発酵→畑で使用しています。

 

5つ目。数%ほどの確率で食卵(卵を食べてしまう)個体が出ます。きっかけはストレスだったり、餌不足だったり様々ですが、我が家の場合はいじめられてた個体が自身の産んだ卵を食べてしまうようになりました。

一度卵の味を覚えた個体は、その後も卵を食べ続けます。そのため、通常であれば殺処分としてしまうのですが、僕はとりあえず他4羽と離して飼育しています。卵は取れませんが、特別懐いて可愛いので良し!

ただ明らかにコスパが悪くなるため、食糧自給を優先するのであれば最悪ですね。食卵個体が出にくい鳥種を選ぶ、ストレスを減らすなどの対応がによりリスクは下げられます。

我が家では名古屋コーチンの1羽が食卵個体となってしまった

 

6つ目。我が家の隣家は東側1軒のみで、南・西・北側には住宅がない住宅環境です。

さらに我が家の隣の方は理解があるため良いのですが、地域によっては鶏の鳴き声・羽ばたき音・糞の臭いなどがトラブルになる可能性があります。

特に、神経質な人は絶対気になります。僕は隣を気にするあまり、多少の音や鳴き声でも起きてしまうようになりました。近隣住宅に夜勤の方などがいれば、かなりのストレスになるかと思います。

 

最後7つ目。宿泊を伴う旅行に行けなくなります。

犬猫くらいなら旅行にも連れて行けますし、ペットホテルという選択肢もありますが、鶏はそういったことは無理です。

その上、餌はあるだけ食べるため、まとめて置いておくことも難しい。水も新鮮なものが必要なので、毎日取り換えが必要です。腹が減って卵を突けば、そのまま食卵個体になってしまうリスクもある。不在の間に近隣とのトラブル発生なども考えられますし、基本的に家を空けることができなくなります。

もし家を空けるなら、誰か世話をしてくれる人を見つける必要がありますね。ただ基本は自宅から離れないつもりでいた方が良いと思います。僕は幸い近所に鶏を飼ってる方が2人もいるため、なんとかなるかと思いますが、コロナ禍ということもあり、当分は旅行には行くつもりはありません。

 

まとめ

僕の場合、メリットよりもデメリットの方が多くなってしまった、鶏の飼育。

ですが、自給自足ってそんなものだと思ってます。大変なことは多いですが、不便だとは思いません。むしろ、普通に暮らしているだけでは得られない経験ができますので、都会にいた頃と比べて贅沢な暮らしだと思っています。

鶏小屋作りを通して、小屋のDIYの経験値も貯まりましたしね。次はもっと頑丈なものが作れそうです。

 

鶏が5羽もいて、使わない日が2,3日続くと、あっという間に冷蔵庫が卵でいっぱいになります。

 

こうなると物々交換に出して旬の魚や果物に変えられますし、渡した人からも喜ばれるので、全く無駄にはなりません。

『餌の調達』『近隣への対応(糞と鳴き声)』の対策ができるなら、自給自足を目的とした鶏の飼育はアリだと思いますよ!

 

鶏の飼育を考えている方は、参考にしてみてくださいな。

 

 

ちなみに、ヒヨコの間は成鳥用の餌を食べられないため以下の餌を。成鳥用フードが食べられるようになるのは、4ヶ月くらい経ってからです。

ひよこフード

 

また、ひよこは春先に販売されることが多いのですが、春先は寒いためヒーター必須ですね。

小動物用ヒーター、サーモはなくても大丈夫でした。

 

それから調べてて驚いたのですが、今は鶏小屋も売られてるんですね。

ワイヤーメッシュ付きの木製鶏小屋

我が家の鶏小屋も、屋根を含めて作るまでに4-5万円ほどかかってますし、素人施工で色々ズレも多いですし、場合によっては鶏小屋キットを買ってしまった方が安いかもしれません。ブロックで基礎作って、地中対策するだけで良いですし。

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