どーも、こんにちは。
トシです。
今年は暖冬のせいで積雪がなく、猪が山の上まで移動してしまって、なかなか罠のあるところまで降りてきません。
今期の捕獲数は2頭で終わりかな。
さて我が家では、僕が猪の「捕獲」「解体」「精肉」「牙や骨の取り出し&販売」を、妻が「調理」と「猪革を使ったクラフトワーク」を主に担当しております。
今までは猪革も施設を通して購入してたのですが、今後は自分で加工に出してみようかと。
そこで、その下処理として生皮に残った脂肪や肉片を除去していたのですが、仁作のスクレーパーがとても便利だったので紹介します。
下処理の前には、大まかに洗って冷凍しておくと安全
猪本体から剥き終わったあとの、生毛皮。
下処理を始める前に、一度『冷凍』しておくことを勧めます。
というのも、施設に数年いた関係で600例以上を見てきましたが、マダニは確実にいます。
ゼロに近いこともありますが、ゼロではありません。また、マダニ意外ではシラミが大量に寄生している例もありました。
安全のためにも、皮を剥いた後は大まかにブラシで洗い、1週間ほど冷凍して殺虫してから処理を始めましょう。
鹿がいる地域ではマダニのリスクも高くなりますし、安全に処理するためには必要な工程だと思います。
脂肪と肉片はもちろん、できるだけ皮膜も取り除く
さて、僕が猪の皮を『なめし加工』に出しているのは、東京にある『一般社団法人やさしい革』という会社。
猪皮の染色なめし加工というのは難しいらしく、受け入れてくれるのはここくらいしか知りません。
(他にあれば教えてください m(_ _)m)
しかし、染めの品質はとても高いのですが、その下処理が難しい。
脂肪や肉片はもちろん、できるだけ皮膜も取り除かないと加工料金が上がります。
そのため塩ビパイプとナイフを使って下処理をしていたのですが、これがまた大変。
ナイフで処理すると脂肪と肉片は取れるのですが、とても手数が増えますし、皮が傷だらけ&穴だらけになることもあって・・。
処理に時間も必要で、90cm×90cmの皮1枚の処理を終わらせるのに、3〜4時間ほどかかってました。
ふと見かけたスクレーパー
そんな時、ふとホームセンターで見つけたのが、コレ。
ぶっちゃけ、これシール剥がし用の商品です。
でも、持ち手がラバー&刃が柔らかく湾曲するので、塩ビパイプの形にフィットしてくれて処理もラクそうだな、と。
ナイフで下処理を続けることに限界を感じてたので、購入してみました。
脂肪や肉片がゴリゴリとれる
予感は大当たり。
脂肪や肉片がナイフ以上に速く、かつ綺麗に剥がせます。
以下が、今日やってみた写真。
左側が処理前で、右側が処理後です。綺麗に除去できてると思いませんか?
ちなみに、破れてるのはナイフで頑張ってしまったから。
最初からスクレーパー使えば良かった。。
端の方は皮膜が多くなるため多少時間がかかりますが、それでもこのサイズ(90cm×90cmほど)が1時間半で終わります。
ナイフだけで処理するときに比べて、半分以下の時間で終わるとは。。最初から(略
ここまで下処理できていると、追加料金はかかりません。
綺麗な皮に仕上がって、帰ってきます。
あとは、粗塩を刷り込んで、水分が抜けるように雨が当たらないところで干して、下処理は完了。
試作の申し込みが終わっているのであれば、すぐにでも加工に出せます。
スクレーパーの使い方のコツ
スクレーパーの使い方のコツですが、スクレーパーの真ん中をパイプに当てて押し付けるだけでは、意外と剥がれません。
皮膜はもちろん、脂肪も綺麗に除去できず、疲れるだけです。
効率よく剥がすには、パッケージに描かれたように持って、下のように緑丸の部分で削るようにしてみてください。
『親指を削りたい部分に押し込むような感覚』でやると、綺麗に剥がれます。
以上、仁作のスクレーパーの紹介でした。
こちらでは鹿がいないため、鹿皮に使えるかは分かりませんが、少なくとも猪皮の処理には使えました。
ナイフでは1日に1枚が限界だったのが、1日2枚以上できるくらいの余裕ができたので、皮なめしの下処理で疲れている人は試してみてはいかがでしょうか。