空気銃・スコープなど猟具について

空気銃(レインストーム)輸入に伴うトラブル、その2「ある朝、突然シューって音が」→分解・修理することに

空気銃(レインストーム)輸入に伴うトラブル、その2「ある朝、突然シューって音が」→分解・修理することに

どーも、トシです。

 

僕のレインストーム(空気銃)は個人で輸入したものになるのですが、「個人輸入するリスク」というか「当然のこと」というか、いくつか『トラブル』がありました。

 

 

今回は、僕が経験した輸入銃に関するトラブル「その2」を紹介します。

 

具体的には、レインストームの空気漏れですね。

しかも、少しガチなやつでした。

 

猟銃未経験者で、銃の輸入を考えてる人は一読しておいてください。

 

 

 

 

2016/12/22:悲劇は突然起こった

 

それはある朝、突然起こりました。

 

 

今日は早起きして、早朝の猟に出かける日。

 

前日に『NIKONのレーザー距離系』と『弾道計算表』を準備し、『自作の三脚ポッド』も積んである。

 

 

これなら獲れるでしょ!

 

 

そんな沸き立つ気持ちを抑えつつ、僕は出猟の準備を始めます。

 

 

そして猟装に着替えて、あとは銃をケースにいれるだけ。

 

 

いつものように、ガンロッカーを開く。

 

昨夜に確認したままの状態で、どこにも異変はありません。

 

 

小さいロッカーなので、スコープをぶつけないように。

 

そっと取り出します。

 

 

 

と、僕のすぐ後で妻が朝食の準備をしています。

(ロッカーは冷蔵庫に固定してあります)

 

お湯も沸かしてるようで、沸騰してるような音がする。

 

 

おお、シューっていってるじゃん。

ポットに入れないと。

 

 

ん?

 

あれ?

 

 

後じゃない。

前から聞こえる。

 

 

え?

なんか手が涼しい。

 

 

・・え??

 

 

おい!!!

 

音してんの、銃じゃん!!!

 

 

 

なんと、

レインストームから勢いよく空気が漏れてました。

 

 

勢いよくってのは、

手に空気の流れを感じるくらい。

 

残圧メーターをみると、50を指してました。

 

 

 

あまりにも突然のことに、

僕の思考は一瞬停止。

 

 

止まった頭で考えてたのは、

 

ああ、これじゃ猟に行けないな・・

今期の猟は終わりか・・

 

でした。

 

 

 

空気漏れの箇所を特定、その原因は?

 

輸入した銃は、『ハズレ銃が届こうが』『届いた銃と注文した銃が違っていようが』『商品が手元に届かなろうが』『到着時に壊れていようが』、全て自己責任。

 

トラブルは全て自分で解決するしかありません。

 

当然、今回のように銃が壊れようが

一部を除き、国内の銃砲店は見てくれません。

 

 

銃が壊れたら、基本的には

『自分で直す』『諦めて廃銃にする』しかないんです。

 

 

正規品より安く手に入れたとはいえ、

実銃は気軽に買い換えられるようなものではありません。

 

猟期もまだまだ残ってます。

 

なので今回、

僕は『自分で直す』を選びました。

 

 

 

まずは、原因箇所の特定です。

 

銃をバラすところから始めましょう。

 

 

空気銃とはいえ、基本的な構造はエアガンと同じ。

 

弾を撃ち出す銃の本体部分(金属)と、それを支えるストック(木製やファイバー製)がくっ付いているだけです。

まずは、この2つを分離します。

 

メーカーによってネジの数は違うようですが、レインストームの場合は以下の真ん中のネジを外すだけでストックと本体を分離することができます。

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残圧が50になってます・・

 

 

また、僕は間違って外してしまったのですが、じつはスコープは外す必要がありません。

一度外すと再調整が必要になってしまうので、最後の最後までスコープはいじらない方が良さそうです。

 

 

分離すると、こんな感じ。

img_5339

 

 

 

そして、空気漏れの場所を調べた結果・・

 

以下のポイントから空気が漏れていたことが判明しました。

残圧メーター上の、六角ネジの部分ですね。

img_5338

 

多分、本来は空気抜き用の機構なのでしょう。

この六角のパーツと、下の残圧メーターは、エアータンクに直接つながっているようです。

 

でも、なぜ漏れているのかは分かりません。

 

より詳しく調べるために、この六角ネジを外してみることにしました。

 

 

事故が起こらないように、少しずつ六角を回して空気を抜いていきます。

 

空気が完全に抜けて、ネジが外れました。

ネジの下には薄い銅板が挟まっており、その下に白い樹脂系のパーツがみえます。

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この白い樹脂の下はエアータンクみたいです。

そして、どうもこの『銅板+ネジの部分』が問題だったようです。

 

特に、銅板がダメなのかな?

だって明らかに偏りがありますもんね。

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この部分、構造的には下図のようになっています。

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六角ネジの真ん中には穴があり、そこに銅板の真ん中の膨らみが収まるようになっています。

こうすることで、200気圧もの高圧に耐えられるようになっているのでしょう。

 

 

ですが、それもちゃんと穴と膨らみが合っていればの話。

 

 

分解して合わせてみたところ、ほんの少し真ん中がズレているのを確認しました。

 

これじゃあ、空気漏れを起こしてもしょうがないですね。

 

 

まあ、大量生産の工業品で、しかも個人輸入品。

このくらいで済むならマシかもしれません。

 

銃砲店から購入する場合、納品前のメンテナンスでここら辺もチェックされてるのでしょうか。

 

 

 

とりあえず、空気漏れの原因箇所の特定は出来ました。

次は修理してみましょう。

 

 

 

 

空気漏れを修理してみる1

 

何度かネジと銅板を組み直し、空気を入れて漏れを確認します。

 

その結果、どうやら『ネジの噛み合う部分からの漏れは無く、全て真ん中の穴の部分から漏れている』ということが分かりました。

 

 

 

「漏れる=隙間があるから」

 

というワケで、まずはグリスで隙間を埋めてみることに。

シリコン系のグリスを買ってきました。

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これで1,000円でした。意外と高い。

 

 

鉱物系のグリスは樹脂を溶かす可能性があるため、樹脂に触れる可能性のある場所ではシリコン系のグリス・スプレーを使いましょう。

 

 

グリスを穴の周辺+ネジ+銅板に塗り、組み付けて空気を入れてみます。

 

マジかよ!!

 

 

気圧が100を超えたところで、空気漏れが再発しました。

 

 

 

 

その後も何度も試してみましたが、100気圧を超えると漏れる。。

グリス程度ではダメなようです。

 

 

 

 

空気漏れを修理してみる2

 

グリスではダメだったので、最終手段です。

 

これは出来れば使いたくなかったのですが・・しかたありません。

 

 

アロンアルファ!!

 

 

 

これを・・直接樹脂部分に塗るわけにはいきません。

 

今後、もし空気抜きが必要になったら面倒ですから。

 

 

なので、

ネジと銅板の間に塗って固着させることにしました。

 

 

どうせこのままでは使い物にならないんです。

壊れることも無いでしょうし、やってしまいましょう。

 

 

ネジと銅板を接着し、100均のバイスで挟んでドライヤーで乾かします。

 

完全に乾かず、接着剤が飛び散ってしまったら悲惨ですから。

 

20分ほどドライヤーで乾かした後、再度組み付けます。

 

 

そして、

 

もう一度、空気を入れてみる。

 

 

 

思った通り!

100気圧クリア!

 

 

おお・・!

150気圧も大丈夫!!

 

 

よっし!

200気圧まで入れても漏れてない!!

 

 

 

 

とりあえず、漏れてる部分を全て接着剤で埋めたことで空気漏れは解消したようです。

 

これなら、なんとか今期は乗り越えられるかな?

いや、乗り越えるしかないでしょう。

 

 

 

 

おわりに『後日談・・』

 

以上、輸入中に伴うトラブル『その2』の紹介でした。

 

 

この件で、数日前に知り合った猟師さんにも相談したのですが、やはりプレチャージ銃は初期のメンテが重要なようですね。

その方曰く『どうせ直すなら全部オーバーホールしちゃったらいいよー』『その方が安心できるし』とのことでした。

 

 

確かに。

猟期が終ったらやってみようかな。

 

今回はなんとかなったから良かったものの、これがもっと内部のトラブルだったりしたらすぐには直せないし。

しかもそれが猟期中だったりしたら溜まったもんじゃないですしね。

 

 

というわけで、次の猟期までにオーバーホールを検討してます。

 

 

というのも、この話には後日談があって・・

 

 

 

 

じつは、

完全には直ってないんですね。

 

 

 

具体的には、

100気圧以下なら漏れないんですが、100気圧以上だとほんの少しずつ漏れてしまいます。

 

200気圧入れても、24時間で150気圧になるくらいのペースですね。

 

 

ぶっちゃけ、軽く猟に出るには問題ないんですが、

1日出るとなるとポンプが必須になってきます。

 

それに、今はいいですが

タンクの中には湿気もあるようですし、繰り返し空気が漏れることで穴も大きくなりそうです。

 

接着剤も、いつまで保つかわかりません。

 

 

 

というわけで、状況はまだ「修理中」になります。

また進展があれば、続きをお届けしますね。

 

パーツをアメリカから取り寄せてからになるので、もしかしたら猟期が終ってからになるかもしれませんけれど。

 

 

そして、銃の輸入・・特にプレチャージ銃の輸入を考えてる方は「こういうこともある」と知っておいてくださいな。

プレチャージを選ぶくらいなら、中古の6.35mmの単発銃を選んだ方がトラブルは少なくて幸せになれるかもしれません。

Comments / Trackbacks

  • Comments ( 2 )
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  1. 銃のメンテナンスが容易にできるのは、大事なことですね。
    銃砲店から購入した場合でも、自分で修理できれば、イザという
    時に何か月もまたなくて良いです。
    個人輸入した場合には、自分でメンテしないといけないので、
    知識(ノウハウ)・技術と補修部品の入手が肝要です。

    私の愛機、Kalibrgun Cricket Synthetic .25(6.35mm)
    には、補修用のOリングセットとスプリングが付属していました。
    今期の猟が終われば、3年使用したことになりますので、分解
    してオーリングを交換しようと思っています。ヨーロッパで
    よく売れている銃は、補修部品がeBayにでています。
    分解&組み立ての方法は、youtubeにupされていますので、
    便利な世の中になったと思いますネ。先輩に感謝です!!

    • By naka-toshi.ad

      個人で輸入する以上は自己メンテが必須ですしね。
      情報がある人気銃であれば良いですが、情報が少ないマイナー銃は購入が怖いですね〜。

      僕のレインストームは旧型の情報は多く見られますが、新型の情報はあまりありません。
      分解もできれば良いのですが・・・メンテが必要になったら輸入元に問い合わせることになりそうです。

      今になって分かりますが、輸入する場合はそこらへんも調べてから決めるべきですね。

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