どーも、トシです。
猟を始めるにあたって、僕は空気銃(エアライフル)を選びました。
んで、地元の銃砲店で購入しても良かったのですが、せっかくなので海外から輸入してみようかと。
(輸入の経験と、英語の勉強がてら)
今回、輸入銃を所持するまでの流れと、許可申請に必要な物、かかる費用についてまとめておきます。
輸入したのはエバニクスのレインストーム(プレチャージ)です。
銃の注文〜取得までの全体の流れ
1、海外の銃を輸出しているお店に「日本への輸出が可能か?」を確認
まずは注文前に確認しましょう。
国や銃砲店によっては、日本に輸出できないこともあります。
2、「可能」な場合は、見積りを送ってもらう
スプリング銃やポンプ銃の場合は「銃本体」の見積りでOK。
プレチャージ銃の場合は「銃本体+ポンプ+アダプター」の見積りが必要になります。
※ポンプとアダプターを国内で手に入れる場合は、銃本体のみの見積りでOK
3、見積りに合意できれば、注文する
メールで注文を出しましょう。
多くの場合、代金の1〜2割をデポジット(先払い金)として払うように求められます。
4、デポジットを支払う
今回輸入した国はアメリカでしたが、代金の支払いは「paypal」「海外送金」「現金書留(?)」の3つが可能でした。
ただ、「海外送金」と「現金書留(?)」は事前登録などが必要なので、「paypal」を利用するのが楽です。
※paypal利用の際にはクレジットカードが必要
5、譲渡承諾書と銃のシリアルナンバーを送ってもらい、注文した銃を「確実に」保管してもらうよう依頼する
日本への輸出に慣れている銃砲店であれば、デポジットを支払うと「譲渡承諾書」に必要事項(銃の仕様やシリアルナンバー)を記載して送ってくれます。
シリアルナンバーは書き間違えが恐いので、写真でも送ってもらいましょう。
また、もし日本の譲渡承諾書の書式が分からないようであれば、書類と書き方の説明資料のデータ(PDFなど)を送り、書いてもらいます。
そして、ここが大切なのですが
日本への輸出に慣れていないお店の場合、「同じ銃なんだから問題ないだろ」と注文したシリアルナンバーの銃を売りさばいてしまうことがあります。
(店員の多いショップ、沢山の在庫を抱えているショップに多いらしいです)
もしそうなった場合、”申請した銃のシリアルナンバー”と”実際に手元に届く銃のシリアルナンバー”が異なるため、当然受け取ることができません。
輸入した銃は廃銃となりますし、もちろん、お金は戻ってきません。
そうならないように、「そのシリアルナンバーの銃が必要なので保管をお願いします」と依頼しておきましょう。
6、ガンロッカーを用意する(装薬銃の場合は弾倉ロッカーも)
銃を保管するためのガンロッカーを用意しましょう。
ヤフオクやAmazonで売っているもので十分ですが、以下の条件を満たしている必要があります。
・金属製で、各壁面が1.0mm 以上の厚さを持つもの
・施錠方法は、かんぬき構造などで、扉の上下を箱体に固定し、外せない構造になっていること
・ドアの蝶番がが簡単に壊されたり、外されたりできない構造であること
・ロッカー内部に鎖などで錠を固定できること
・ドアの錠は、鎌錠など外からの力によって簡単に解錠できないものであること。
・かけ忘れ防止装置が付いているもの
・錠は、鍵違い120種類以上有するものであること
7、必要書類を準備し、地元の警察署へ所持許可を申請する
譲渡承諾書に必要事項(氏名や住所など)を書き込み、その他必要な書類をまとめて、警察署(生活安全課など)にて所持許可の申請を行います。
必要な書類は後ほど下で紹介しますね。
地域によっても差があるようなのですが、国内で購入する場合に必要な書類だけでは足りません。
8、許可が降りるまで待つ
許可が降りるまで待ちましょう。
空気銃は比較的短期間で許可が降りますが、1ヵ月で済む地域があれば、3ヶ月ほどかかる地域もあるようです。
許可が降りるまでに、公安にて「申請の合った銃は日本で使用して良い物か?」「申請者は銃を所持しても良い人か?」などの審査があります。
ガンロッカーのチェックや、家族や近所の人、友人などへの聞き込み調査もありますので、事前に「よろしくお願いします」と伝えておくと良いかと思います。
※聞き込み先は”あなたをよく知る人”である必要があるため、こちらで選べます
また、日本への輸出に慣れていない銃砲店から購入する場合は、「許可が降りるまで1〜2ヵ月ほどかかります」と伝えておいた方が良いでしょう。トラブルを回避できます。
9、許可証を受け取り、銃砲店にコピーを送る
許可が下りたら、許可証を受け取りにいきます。
その際は印鑑が必要ですので、忘れずに。
受け取った後は、許可証内の写真をとり(スキャンしてもOK)、銃砲店に「許可が下りました、手続きを進めて下さい」というメールとともに写真データを送ります。
※日本に送る際にコピーの添付が必要なため
10、残高を決済し、現地の書式に合わせた住所を送る
銃砲店より「残額(open balance)の決済をお願いします」と連絡が来るので、決済します。
その後、発送先(あなた)の住所を”現地の書式”で送ってあげましょう。
国によっては(少なくともアメリカは)、その書式でないと送れないようです。
また、許可証の期限は「発行されてから3ヶ月」ですので、その期間に受け取れるように手続きして下さい。
期限内に受け取れないと、許可証は失効してしまいます。
11、発送してもらい、日本への到着を待つ
発送してもらい、追跡番号を貰います。
あとは日本の税関に届くのを待ちましょう。
12、税関から連絡が届いたら手続きする
銃が日本に届くと税関から以下のような案内(書留)が届きますので、それに従って通関手続きをとりましょう。
(電話連絡+許可証をもって最寄りの税関に出向くor許可証のコピーを送る)
※ちなみに、基本的に銃を輸入する場合は事前に『経済産業省からの輸入承認許可』を手に入れる必要があるのですが、銃の使用目的が「自分で使う」場合に限り、輸入に関する特例措置が適用されるため、承認許可は要りません。
しかし、承認許可が必要かどうかの審査が必要なので、以下の手順で審査を受けて下さい。
【経済産業省の輸入承認を確認する】
詳しくは経産省のページを読んでもらうと早いのですが、
1、照会フォームから輸入した銃+αの情報を登録
2、以下の必要書類をメールで bukishokai@meti.go.jp?宛に送る
- 照会フォームの入力画面のスクリーンショット
- 税関から届いたハガキの写し(通知番号、商品名、名あて人、住所、税関名が明記されている部分)
- 輸入した商品が判るカタログ等の写し(購入元のサイトや国内のカタログなど)
- 送り状(インボイス)の写し ※貰っている場合のみ
- 銃の所持許可証(所持している場合)の写し(銃砲店に送ったものでOK)
書類を提出すると審査が始まり、後ほど1〜2時間くらいで返信がきます。
「個人特例での通関を了承します」とのことであれば、『担当者の氏名』と『不要になった理由』を税関に伝えることになりますので、しっかり控えておいて下さい。
13、配達員に関税を支払って受け取る
税関を通ると、郵便局によって自宅まで配達されます。
その際、銃は5.4%の関税がかかりますので、配達員に支払って下さい。
(ちなみに、購入価格全額にかかるのではなく、その6割ほどの”課税価格”に対して関税+消費税がかかることになります)
私の場合は、銃、ポンプ、アダプターで6,300円でした。
14、銃を警察に持っていき、確認してもらう
あとは国内で購入する場合と一緒です。
銃を受け取ってから2週間以内に警察署へ持ち込み、「”申請した銃”と”届いた銃”が一致しているか?」を確認してもらいます。
その際、受け取り日が分かるもの(受領書など)を合わせて持っていきましょう。
確認がとれたら、その銃は正真正銘あなたの物です。
ちなみに、、上で書いたように、シリアルナンバーが異なる場合は廃銃となってしまいます。
が、長さなどが違う場合は「持ち込みした際に測った値」を正として登録するため、特に問題はありません。
廃銃とはなりませんので、安心して下さい。
所持許可申請の際に必要な物(空気銃、エアライフル)
申請の際に必要な物ですが、地域や申請を受ける担当者によって変わってくるようです。
が、確実かつ迅速に許可を得るため、以下の書類を用意することを勧めます。
【通常の申請に必要な物】
・所持許可の申請書
・譲渡承諾書
・精神医による診断書
・経歴書
・同居親族書
・住民票の写し(本籍地記載、同居親族全員分、マイナンバーは不要)
・身分証明書(本籍地の市区町村にて発行)
・写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
・講習修了証明書
・狩猟免許(使用目的が「狩猟」の場合)
・住宅内に置ける保管庫の位置の図
・保管庫周辺と、保管庫内の写真
【輸入銃の申請に必要になってくるものor提出するといいもの】
・銃砲店からの見積りメール(所持者の氏名、住所、電話番号が分かるもの)を印刷したもの
・購入元の銃砲店のホームページなどを印刷したもの(あれば)
・注文した銃が載っているページを印刷したもの(あれば)
・国内販売されている同じ銃のページを印刷したもの(国内でも流通している銃であれば)
・銃の仕様が分かるカタログ(あれば)
・銃のシリアルナンバーの写真
プレチャージ銃(連射可能タイプ)の場合は、ちょっと注意
基本的には、以上の書類があれば審査は通ります。
が、単発ではないプレチャージ銃(2発以上撃てる銃)の場合は、ちょっと注意が必要です。
例えば、僕が今回輸入したエバニクスのレインストーム。
これは国内に流通しているモデルだと「5発まで」しか装填できないようになっています。
しかし、元々の仕様は10発まで装填が可能なんですね。
そのため、海外の弾倉(マガジン)を付けたまま輸入することはできず、国内で日本の仕様に合った弾倉を別で購入する必要があります。
※海外仕様のマガジンを輸入し、自分で加工→使用するというやり方が認められるようです。詳しくは当記事のコメントを参照ください。
※また、つい最近より、一部の銃についてはマガジンを有償加工してもらえるようになりました。
具体的には “レインストーム” や “クリケット” などのマガジンは、現地にて『弾を入れる穴を金属シリコンで埋める』という方法で加工が可能です。加工費は『マガジン1つあたり25ドル』となります。
通常のシリコンと違って完全にマガジンに固着するため、ミスリロードなども防げます。
じつは、ここがちょっと問題。
地域や公安の担当者によって意見が分かれるようなのですが、
「弾倉が国内の規制に対応した物であるという証明が必要」ということで、銃の譲渡承諾書とは別に、弾倉の譲渡承諾書(またはそれに準ずる”弾倉の仕様が分かるもの”)の提出を求められる場合があります。
すると国内の銃砲店に発行を依頼することになるのですが、、本来は弾倉を買うのに譲渡承諾書は要りません。
そのため、発行を拒否する銃砲店が多いのです。
(僕もいくつか断られました)
結局、親切な銃砲店に「販売証明書」を発行してもらうことで乗り切れましたが、なかなか大変でした。
その銃砲店の方の話によると『似たような話はよくある(弾倉だけでなく、スコープや頬当てなど)』との事で、「本来必要ない書類だから要らないはずだ、もう一度確認してください」と担当者に伝えると、すんなり解決することが多いのだとか。
プレチャージ銃を輸入される方は、心に留めておいて下さいな。
ちなみに僕の場合、譲渡承諾書の「弾倉型式及び充てん可能弾数」を空欄で提出しました。
弾倉についての仕様は「販売証明書」で証明する、ということだそうです。
先に購入してしまっている場合は、「購入証明書」や「譲渡証明書」などでも良さそうですね。
銃の輸入にかかった費用
では最後に、輸入にかかる大体の費用を載せておきます。
以下は僕の例です。
・銃本体:約750ドル
・ポンプ:約180ドル
・アダプター:10ドル
・送料&手数料:約240ドル(銃だけなら170ドル)
・関税:7,000円弱
・申請料:10,500円
合計:14万ほど
購入元は、アメリカの『AiRGUN EXPORTER』さんになります。
“IN STOCK”から在庫銃を見れますので、興味があれば見てみて下さい。
これにスコープやマウントリングなども必要になるので、猟で使えるようになるには、もう2万ほど追加になります。
また、スプリング銃やポンプ銃の場合は、本体代金と送料も安くなりますので、かなりおトク感がありますね。
銃を輸入してみて・・
以上、輸入銃を所持するまでの流れと、許可申請に必要な物、かかる費用についての紹介でした。
最後に、輸入してみて思うことを。
スプリング銃やポンプ銃は輸入した方が良いと思うのですが、、、
正直、プレチャージ銃を輸入するのは、あまりお勧めしません。
その理由は、
・アダプターを探すのが手間
・ポンプやボンベで送料が高くなるため、コストパフォーマンスがそれほど良くない
・国内ではメンテできず、長く使う場合は不安が残る
が挙げられます。
スプリング銃やポンプ銃は、銃本体だけの輸入で済みます。
ですが、プレチャージ銃はポンプや、銃とポンプに適合したアダプターが必要です。
それらを一緒に提案してくれる銃砲店なら楽なのですが、そうでない場合はかなり面倒くさいことに・・。
海外のAmazonや銃販売サイトなどを探し、そのレビューを見たり、質問したりして適合するかの確認をとることになります。
(もちろん全て現地の言語)
今回は提案してもらいましたが、一応自分でも適合するかの確認をとりました。
また、それらポンプが入ってくると送料や手数料が意外と高く付きます。
思っているほど安くはなりません。
そして一番致命的なのが、最後。
輸入した銃は”並行輸入品”となるため、銃砲店で売られている”正規輸入品”とは違い、国内でのメンテ(日々のケア〜修理まで含む)を正規のルートで受けることはできなくなります。
個人でメンテをしてくれる店を探す必要がありますし、またメンテを受けてくれる店が見つかったとしても、「パーツは仕入れられない」とか
「割高になる」というのが一般的。
「スプリング銃やポンプ銃なら見るよ」という店もあるんですけど・・。
そこらへんに不安が残るのであれば、大人しく国内の銃砲店を通して購入する方が良いでしょうね。
と、まあ
ぶっちゃけた思いも書きましたが、
それでも今回の輸入に関しては満足しています。
良い経験になりましたし、当面の使用には問題は無さそうなので。
「メンテはできないけど、下取りなら良いよ」というショップも見つかりましたしね。
というわけで、空気銃の輸入を考えている方は参考にしてみて下さい。
ちなみに、、『AiRGUN EXPORTER』のオーナー(Mr.Vincent)はとても親切で信用できる方でした。
初めまして、還暦超え老人ハンターのカズです。
私も、同じ業者から個人輸入をしたのですが、マガジンについては
深く考えず(助言していただいた方からも特に注意がなく)、そのまま
輸入しました。ただ、税関⇒経済産業省から誓約書の提出を求められました。
「個人輸入は認めるので、法規を守って下さい」ということで、誓約書の
内容は、「付属品のうち着脱式回転型弾倉(マガジン)は、元の仕様では、
12発となっていますが、日本の法規に適合するように、私の責任で
5発となる様に改良して、〇〇県公安委員会での確認を得てから、
使用致します」。ごく普通の指導と対応でトラブルにはなりませんでした。
マガジンは、目地止めのシール材を充填して12から5発へ変更して、警察署
へ持ち込みましたが、銃の計測・確認だけで終わりでした(笑)。
今年の銃検査は、別の担当者で、マガジンの確認もありました。
日本の銃砲店は、個人輸入を阻止するために、日本仕様のマガジンだけの
販売はしないところが多いですね。銃の保守・修理についても同様です。
私は、自分の銃は自分で手入れ・管理して楽しみたいと思っていますが、
購入してから3年目で、エア漏れなどの故障は、まだ経験していません。
>>カズさん
初めまして。
とても有益な情報、ありがとうございます!!
こちらでも先日、マガジンの輸入を仲介した方より『無事に届きました』との連絡をいただきました。
その方も同じようなことを言っており、『自分で日本の法規に適合したマガジンに加工し、認可を得てから使用する』という旨の誓約書を提出することで、難なく輸入することが出来たそうです。
また、加工の方法も『自分でマガジンにシーリング材を入れるだけだった』とのことでした。
色々な情報が錯綜しており、個人的にもマガジンの輸入は渋っていましたが、今後は大丈夫そうですね。
こういった “貴重な個人の経験” を教えていただけるのは、とても有り難いです。
僕も「自分のことは自分でする」という考え方でおりますが、やはり不安はありますし、メディアを持たぬ他の方も同じような状況でしょうから。
今後も有益な情報は共有していきたいと思いますので、何か気づいたことがあればコメント(またはメール)からご連絡くださいませ。
ありがとうございました(*・ω・)ノ
空気銃を始めたいと思うのですが自分の考えている空気銃が全長78センチと2センチ法律に合いません。
また弾倉30発と多いですがコメントを読ませていただき難しい加工ではないので自分で合法化しようと思います。
全長をバレルをフラッシュハイダーのような感じで延長して基準を満たすのは可能なのでしょうか?
>>はがさん
初めまして。
>銃身長について
具体的にはどの銃で検討しているのでしょうか?
FXのボブキャットMk2など、銃によっては純正のロングシュラウドが生産されてるモデルもあります。
無いモデルは難しいため、輸入は難しいとお考えください。
(無理やりつけても精度がよくないため)
可能であれば、一度銃砲店に確認してみてはどうでしょうか。
>弾倉について
実際のところ、お住まいの地域を管轄する警察の判断によっては「加工」と判断されることもあるようです。
実際に動く前に、一度所轄の担当に確認を取るのがオススメですよ。
カズさんへ
65歳になります…..長年射撃 狩猟 火薬装填銃を全て手放し狩猟目的の6.35mmの空気銃一丁にと
個人輸入に至りました。射撃も少々飽きてきました。
技能講習 18000円なんてのが始まり また猟友会を退会 個人で申請してますが、無許可の譲り受け5000円などなど….. 以前レミントンマリンマグナムを個人輸入しようとしましたが断念
銃砲店で購入 価格の差には驚きます。