
どーも、こんにちは。
子供達に毎日「遊んでー!」とせがまれて、少し疲れ気味のトシです(笑)
じつは我が家では、昔みたテレビ番組の影響で、子供達に向けて『家庭内通貨』というものを発行しています。
今回は、発行して2年経ったので、その様子と効果について書いてみます。
結果としては「導入して良かった」と思っているのですが、一方で「うーん、これはちょっと・・」と思うこともあったり、という感じですね。
まずは我が家の家庭内通貨「Nyan」を紹介
家庭内通貨は自作です。
フリー素材の画像を元に、パワーポイントを使って作りました。

10、50、100、500、1000の5種類を用意しており、
単位は「Nyan(ニャン)」。
当時、娘の『猫がいい』の一声で、これに決まりました。

家庭内通貨を導入した理由
これら家庭内通貨を導入した理由はいくつかあるのですが、一言でいえば、
『お金を扱う感覚を養ってほしいから』でした。
細かく挙げるなら、以下のような感じです。
・お金の3つの機能(貯蔵手段、価値の媒体、価値の尺度)を感覚的にとらえて欲しい
・お金の使い方を覚えて欲しい
・「お金を稼ぐ」とは「価値を提供することである」ということを感覚的に理解して欲しい
・「価値を提供→お金を貯める→自分の欲しいもの・やりたいことを実現する」という流れを経験してほしい
これはたぶん、家庭内通貨を導入する多くの方と共通することなんじゃないでしょうか。
発行と使用のルール
このニャン通貨は、家の外では「ただの猫と数字が描かれた紙」ですが、家の中ではれっきとした「お金」。
普通のお金のように、「発行」と「使用」にはルールを設けています。
といっても、内容は単純で、
【発行】
何かを頑張った時、出来なかったことが出来るようになった時、お手伝いをしてくれた時、必要なモノを作ってくれた時、僕ら親が嬉しいと思った時
【使用】
1nyan=おおよそ1円、欲しいものがある場合は「Nyan」を「円」に交換して僕たち親が購入→手渡す(ただし計算が面倒なので税金分は親が負担、欲しいものは親が事前にチェックしてOKした物のみ)
という感じ。
1回に発行する金額はおおよそ「10〜30ニャン」で、年齢と内容に応じて決めています。
例えば、「テーブル拭き:10ニャン」「雑巾掛け手伝い:10ニャン」「野菜や果物を切った:10ニャン」「1人で着替えられた:10ニャン」「人前で発表できた:20ニャン」「子供だけで寝れる:30ニャン」など。
あとは、息子が保育所で覚えたことを活かして「卓上ゴミ箱作成:1日1個限定10ニャン(で僕が購入)」というのもありますし、「特別頑張った時(夏休みの宿題を全部終わらせた、など)は50ニャン」をあげることもありますね。
年齢に応じて出来ることが変わってくるため、「自ら進んでやる」などの “意思” の部分を見て決めることが多いです。
「発行当初」から「現在」の様子
では、これら家庭内通貨を導入した結果、どうなったのか?
娘が小学1年生になった今では『努力して貯める=欲しいものが手に入る』ということが理解できるようになってきたものの、発行した当初は子供達も幼く(保育園年中と未入所)、意味を全く理解できない状態でした。
とりあえず、”大切に扱って欲しい” と思ったため、娘と息子にはそれぞれ『お気に入りの財布』を与えましたが、「がんばったね!」と渡しても財布に入れず、おもちゃ箱に放り込んでグシャグシャになってる方が多かったくらい。(笑)
それでも、保育園や幼稚園で毎日登園シールを貼るように、『何かを貯める/集める』という行為は子供にとって楽しいことのようで、発行して1年くらい経った頃には『ニャン通貨=頑張りましたシール』という感覚で集めるようになりました。
娘が年長、息子が年少の頃です。
この頃の子供たちを見てると、『欲しいものを手に入れるために貯める』というよりも
『自分の行動が褒められて、その結果が目に見える形として残るのが楽しい&嬉しいから貯める』という風に感じられますね。
『これだけ貯まった!何買える?』と聞いてくる回数より、単純に『見て!これだけ貯まったよ!』と見せにくる回数の方が多いのも、そういうことなのでしょう。
ただ、相変わらず『お金の価値』は分からないようで、出して見せたあとは財布に戻さず「宝箱にそのまま押し込む」なんて様子も。(笑)
これは『貯めて→好きなものを買う』を何度か経験することで、多少良くなりました。
が、やはり「好きなものは何でも買っていい」というワケではないため、「使い方に制限を設けている間はどうしようもない」とも感じています。
現実は「お金がある=何を買ってもいい」という訳ではない
つい先日、娘が夏休みに入ったのをきっかけに、娘のニャン通貨の「使用制限」を少し緩和しました。
詳しくは別記事で書きますが、今までは『お菓子は僕ら親が用意する物以外はNG』としていたものを、『親が用意する以外のお菓子もOK』としています。
これは「娘が分別のつく年齢になった」と判断したからこそ決めたことなのですが、じつはこの決定によって、娘が今まで以上にお金を大切に扱うようになりました。
娘の中で、今までは『ニャン通貨=欲しいものの50%くらいが買える価値のもの』だったのが、『欲しいものの80%くらいが買える』ようになったのが理由だと思われます。
分かりやすく言えば、
娘の中で「ニャン通貨」の価値が上がったワケです。
やはり『お金の価値』を理解してもらうには、”自由に” 使ってもらうのが一番ですね。
ただ、”自由に” というのが難しいところで、
例えば『お金が貯まったから好きなだけお菓子を買っていいか?』となると、多くの家庭では「No」でしょう。
お菓子ばかりを食べても元気になりませんし、「糖」を摂り過ぎれば健康を損ないますからね。
我が家も、上で書いたように「No」「お菓子は僕らが用意する」という考え方なので、買う前には僕ら親のチェックを入れている(いた)のですが、
一方で、そうすると子供的には『なーんだ、結局欲しいものは手に入らないのか』『頑張ってもダメじゃん』となり、それ以降の家庭内通貨が成り立たなくなる危険もあったりして・・。
なので、実際に家庭内通貨を使ってみて思いますが、導入するタイミングは早すぎても良くないですね。
導入するタイミングは「早くても年長(5歳)」以降
が、いいんじゃ無いかと今は思ってます。
5,6歳以降ですね。
このくらいの年齢になれば色々と分別もついてきて、栄養や食事、健康、経済についての話をしても、その全てを理解できなかったとしても『よく分からんけど、なにか大切なことを言ってるんだな』くらいは理解してもらえます。
だから、ある程度の制限をかけつつも、それなりに自由に貨幣を使わせることができます。
ですが、5歳未満では、どうしても欲求の方が勝ってしまって、僕ら親の本意を伝えるのは難しくなりますね。
息子(4歳)が今この状態で、『大事なことを言ってるみたいだけど納得できない!』という感じです。
なので、家庭内通貨を導入するなら、子供が5歳になってからの方が良いかと。
正直、「我が家は早すぎたな」というのが今の感想です。
「家庭内通貨」導入の効果まとめ(3歳〜6歳)
以上、家庭内通貨を導入して2年経った我が家の様子でした。
今後、また感じたことがあれば、そのつど更新していきます。
今回は最後に、家庭内通貨を導入した効果(子供たちの変化)を一覧でまとめて終わりますね。
・欲しいものがある時は「行動」するようになった
・自分の「好きなこと/得意なこと」を活かして稼ごうとするようになった
・導入前に比べて「お手伝い」の回数が増えた
・ニャン通貨がもらえないようなことでも、進んで手伝ってくれるようになった
・子供が僕らを含む「周りの人」に自慢できることが増えた
・貯めた通貨を並べて、見せて、確認することにより「自己肯定感(”自分はできる” という意識)」が高まった
・僕ら親の「感謝」や「評価」が目に見える形として伝えやすくなった
・(”自由”に使える娘限定だけど)自分の行動で「望んだ結果」を手に入れることができるようになり、世界(可能性)が広がった
導入を考えている人は、参考にしてみてください。