箱罠猟をやっていると、狙った獲物以外の獣が来ることも多々あります。
でも、最初のうちは「食べ跡」から獣を判断するのは難しいもの。
「食ってる食ってる!」なんて思って餌をまく位置を奥にしていったものの、「かかったのはタヌキだった・・」なんてこともあったり。
今回は、箱罠猟で見かける食べ跡から判別できる獲物について紹介します。
※鹿も載せたいのですが、ここらへんには出ないんですよね・・
タヌキ
まずは初心者がよく間違えるタヌキ。
タヌキの特徴として、あまり大食いではありません。
大きな雄の個体であっても、撒いた米ヌカを食べ尽くすようなことはなく、食べた後は汚く残ります。(手のひら一杯程度の量であれば食べつくくすこともありますが)
また、イノシシのように警戒心が強いこともないため手前だけ食べるということもなく、檻の中を歩き回って食べたいように食べて、足跡を残して帰るということがよくあります。
食べた跡は以下のような感じ。
ワイヤーメッシュの上の米糠だけ適当に食べていて、2枚目は食べ残しもあるのが分かります。
米糠を撒いてもイノシシが来ない場合、雨などで米糠がだんだん傷んで腐ってきます。
が、タヌキが来てくれれば傷んだ米糠も食べてくれるため、正直有難いところではありますね。
(ワイヤーを低くすると扉落とすのだけは勘弁ですが)
イノシシ
次は本命のイノシシ。
イノシシの特徴としては、(1)檻の手前から食べる、(2)大食い、の2つ。
イノシシは警戒心が強い動物なので、まず最初から檻の奥の餌を食べることはありません。必ず、『檻の手前→檻の入り口→檻の中間→檻の奥』という順番で餌を食べます。
また、『できるだけその場にある餌を食べ尽くそう』とするため、餌が腐って食べられない場合などを除き、基本的に綺麗に食べていきます。
檻の中であれば、檻のワイヤーメッシュの間に埋もれた餌まで食べようとしたり。
その結果、以下のような食べ跡に。
アナグマ
3つ目は、ここら辺では珍しいのですが、地域によっては獣害扱いのアナグマ。
アナグマの特徴としては、(1)イノシシと同じくらい大食い、(2)小さな穴を掘るように食べる、の2つです。
タヌキとそれほど変わらない大きさのアナグマですが、じつはイノシシと同じくらい餌を食べます。
そのため、イノシシだと思っているのにワイヤーに引っかからず、『餌だけ食べられて扉が落ちない』なんてことが起こります。
そんな時は、餌を食べた周りに下の写真のような穴が掘られてないか、探してみましょう。
穴の大きさは「子供の握りこぶし」くらい。
このような穴が掘られていれば、イノシシではなくアナグマだと思われます。
また、箱罠の中であれば、罠の内側から罠の周辺を掘り起こして、檻の真ん中に土の山を作ります。(こんな感じの↓)
なぜか、罠に捕まっていなくても山を作っていくので、該当する場合はアナグマを疑ってみると良いかと思います。
番外編
その他、今まで経験して来た獲物について。
罠から餌(肉などタンパク質系)だけが無くなってる
イタチかキツネが来てます。稀に賢い罠を知ってるタヌキ。さらに稀にカラス。
やつら賢いです。箱罠が作動しないように餌だけ取っていくんですよね。
金属製のワイヤーが切られる
タヌキの可能性が高いです。
(もしかすると地域差があるかもしれませんが)タヌキは「目の前の高さにある線を噛み切ってしまう習性」があるようです。
こちらでは実際に切られた動画が撮れたとか。
以上、箱罠猟で見かける食べ跡から判別できる獲物についての紹介でした。
参考にしてみてください。
また、まだまだ駆け出しなため、間違っていることもあるかと思います。
何か気づいたことなどあれば、ご指摘もらえると嬉しいです。