どーも、空気銃で猟をやってるトシです。
初めて猟師になる方は、出猟する時の服装に悩みますよね。
いわゆる『猟装』ってやつ。
僕も始めたばかりの頃は本当に悩み、色々と用意してたのですが、実際に猟に出る中で服装や持ち物が安定してきました。
今回は、僕が鳥猟に出るときの服装について紹介します。
この服装での対象は、カモやキジなど。
カラスには、これ+自然の草によるカモフラージュが有効だと感じます。
鳥撃ちに出るときの猟装、その1
まず、普段の格好はこれ。
いつもの河や池など、カモやキジを撃ちに行くときは、基本的にこの猟装です。
上から順に、
・ギリーフード(茶色)
・迷彩のフェイスマスク(ネックウォーマーみたいなやつ)
・ユニクロのミリタリー系ジャケット
・サバゲーで使ってた迷彩グローブ
・マガジンポーチ
・迷彩のパンツ
です。
写真の迷彩パンツは軍のお下がりですが、日によって他の迷彩パンツ(サバゲー用)を使い分けてます。
そして、この中で意識してるポイントは『頭〜首にかけて』の部分。
特に、猟場にどんな獲物がいるか分からずカモやキジを探す場合、必ず『ギリーフード』と『フェイスマスク』を着けるようにしてます。
というのも、鳥は人ほど物体の認識能力(それが何かを理解する力)は高くありません。
でも、そのかわりにとても目がいいんですね。
色も分かりますし。
去年の猟期の初めに、これらを装備せずに出猟したことがあります。
遠くに群れが見えたので200mくらい離れた地点まで近寄り、草むらから頭だけだして様子をうかがった結果、そのままカルガモの群れに気付かれて飛ばれてしまったということがありました。
これは、そこまでのアプローチの仕方と、様子のうかがい方もマズかったのですが、200m離れてても飛ばれるくらいに猟場において人の頭(黒)と顔(肌色)は目立ちます。
それ以降、僕はこのギリーフードとフェイスマスクを着けるようにしましたが、飛ばれる確率は格段に下がりました。
上記と同じようにこっそり覗いても、ミス(速く動いたり、音を立てたり)しなければ30〜40mの距離でも飛ばれることはありません。
正直、ここに視線を隠すゴーグルやサングラスを着ければもっと近くまで近寄れそうです。
(良いのがなくて着けてませんが)
最近はフルカバータイプのギリーフードをつけて、その上から通常のギリーフードを被るようにしてます。
目以外のほぼ全てを隠せるので、これだとかなりバレにくくなります。
上着や下半身は、身を屈めて移動することで隠せますが、頭部は絶対に晒すことになってしまいます。
目のいい鳥に対して遠距離射撃に自信がないのであれば、頭〜首の間は何かしらの対策をしておくと良いですよ。
追記:手のカモフラージュも重要
顔だけじゃなくて、手も重要でした。
双眼鏡で獲物を見ることが多いですが、素手はかなり目立つようです。
安くても良いので、獲物から目立たない手袋を着けておくと捗りますよ。
?内側には目立つ服を用意しておく
ちなみに、上記の猟装の内側はこんな感じ。
田舎のため、基本的に他の猟師には会うことはないのですが、全く会わないわけではありません。
こっそり忍んでる時に撃たれたら堪ったものではないので、他の猟師が近寄ってきた場合はすぐに居場所を伝えられるように、ジャケットの下に猟友会のベストを着込んでいます。(無理矢理シャツインしてます)
また、冬が深まり寒くなった場合はこんな感じ。
猟友会のベストに替わって、スキー用のミドラーを着てます。
オレンジは本当に良く目立つので、誤射を避けるためにも1つは必ず持っておくと良いですよ。
鳥撃ちに出るときの猟装、その2
以上が、僕が鳥猟に出かけるときの基本の服装です。
が、これは河川や田畑、野原での猟の場合。
鳥猟でも、山に入って行う鳥猟もありますよね。
そう、キジバトやヤマドリ、ヒヨドリを狙う場合です。
僕はまだそれほど山での鳥猟経験はないのですが、
山というのは本当に見晴らしが悪いです。
5m山に入れば、もう姿は見えません。
そして、僕の地元ではイノシシが多いため、装薬銃(散弾銃やライフル銃)によるイノシシ猟も、そこそこあります。
(金沢方面から来てるようです)
そういう場所では、誤射の危険性がかなり高まります。
いわゆる『ガサドン』による事故の危険性ですね。
そのため僕は、山に入る場合の服装は安全優先としています。
こんな感じですね。
猟友会のベスト+帽子は着用必須です。
自分の身の安全は、自分で守るしかない
僕は、公道近くでは銃を出しませんし、獲物が確実に撃てるような状況でなければマガジンもセットしません。
そして当然、矢先の安全が確保できない状況では、絶対に発砲しないようにしています。
でも、やっぱりそうじゃない猟師もいるんですよね。
以前、とある場所での飲食販売に関する説明会に参加したことがあります。
その際、イノシシ肉を販売予定のベテランらしき猟師が数名+新人猟師が1名いた(たぶん他県の猟師)のですが、とんでもない会話が聞こえてきました。
べ1『◯◯、まだ退院してないんだってね』
べ2『もう少しでしょー』
新『え!?撃たれたってことですか?大丈夫なんですか、それ?』
ベ1『まあ、それほど酷くはないらしいし、まだ猟師は続けるらしいよ』
ベ2『あの人は大丈夫でしょ〜、そのくらいじゃないととシシ獲れないしね』
ベ2『というか、撃たれて一人前だよ(笑)』
ベ2『君も頑張らないとね』
新『は、はい・・』
この会話、多少省略してありますがマジです。
ベテランの方は冗談で言ってるんでしょうが、危機意識が低いのは間違いありません。
新人らしい人はめっちゃ引いてました。
事故というのは『まあいいだろう』が積み重なって起こるもの。
実際に彼らのグループでは事故が起こってるわけですし、この危機管理の低さでは、今後も起こる可能性が高いでしょう。
僕は、この人とは絶対に一緒に猟に出たくありません。
でも、こちらまで来てるということは、石川でも猟師登録してるのかもしれません。
そして獲物の獲れる場所というのはある程度決まってますので、『猟場で出くわす確率はゼロではない』んですね。
恐ろしい話です。
猟場では、自分の身は自分で守るしかありません。
特に、山で姿が見えないというのは本当に危険です。
なので僕は、いくら目のいい鳥を狙うとしても、
山に入る場合は安全を優先するようにしています。
例え、それで逃げられたとしても、別に良いじゃないですか。
獲物が無くとも、無事に帰宅できた時点で『ハイキングを楽しめた』ワケですし。
怪我してしまえば、楽しむこともできません。
おわりに
以上、僕の鳥猟の猟装の紹介でした。
これから猟を始める方は、参考にしてみてください。
ちなみに、僕が懇意にさせていただいている猟師の方が1人いるのですが、
彼は場所が河だろうが田畑だろうが、獲物がカモだろうがキジだろうがカラスだろうが、常にこのような目立つ格好で猟をします。
それでも猟果は僕の5倍ほど多いんですよね。
しかもスズメやムクドリ、カワウなどの撃ち辛い獲物も多いです。
彼は多くは語らない方なのですが、その姿を見ていると『服装と猟果はあまり関係がない』とも思えてしまいます。
結局、猟師としての腕が良ければ服装なんて何でも良いのかもしれません。
今の猟装は好きだから選んでる部分もありますが、服装に頼らなくても猟果が上げられるように、腕を磨いていきたいものですね。