解体技術

【詳細画像あり】猪の後足の捌き方(シンタマ,ウチモモ,ランプ,モモ,スネ)

【詳細画像あり】猪の後足の捌き方(シンタマ,ウチモモ,ランプ,モモ,スネ)

 

4.イノシシの「後ろ足」の部位分け

 

これ↓が骨抜き後の状態ですが、このままではよく分かりませんね。

 

そこで、どこがどの部位か分かりやすくするために、名称を書いてみました。

 

後ろ足を構成しているのは主にこの5つで、それぞれ以下のような特徴があります。

ランプロースの後ろの部分。ロースに食感が近い。

シンタマいわゆる太ももの前の部分。形は歪だが筋が少なく厚切りでも食べやすい。

モモ晩秋〜冬場になるとロースのような脂身がつく。ロースほど柔らかくはないが比較的安価&美味しい部位で人気がある。

ウチモモ内股の肉。冬になっても脂身がほとんど付かず、モモ部位から脂を無くしたような感じ。

スネスジが多くて固く、そのまま焼いて食べるには向かない。ひき肉にしたり、シチューやおでんなどの煮込み料理に入れるとウマー(゚д゚)!! 価格が安い。

 

 

 

では、それぞれの部位に切り分けていきましょう。

 

 

僕は、まず『シンタマ』から外していきます。

(人によっては『ウチモモ』から外しますが、どちらからでもOKです)

 

 

以下の、モモとシンタマの隙間にナイフを入れ、間の膜を切っていきましょう。

筋膜によって肉が明らかに分かれているので、迷うことはないはず。

 

切っていくと下のような白い『皮(大きなイノシシなら脂肪)』が見えてきますので、これに沿って(青線で)切ります。

 

次に、ランプ側の端と平行(下の青線を参照)になるような位置で切って、シンタマ部位を取りましょう。

 

 

シンタマが取れたら、次は『ウチモモ』。

ウチモモもシンタマと同様にモモから剥がすだけですが、切るところを露出させるために以下のポイントに指を差し込みましょう

 

指が入ったら、軽く引っ張ってスジや膜を指で切り離します。

 

すると、下のような感じに開きます。

 

以下、それぞれの筋肉に番号を振りましたが、注目すべきは2と3。

 

2と3の間で切るとモモとウチモモを外すことができるので、下の青線部分にある膜を切っていきましょう。

 

膜を剥がしていくと、こちらもシンタマと同じように皮が見えてくるので、ここで切り離し。

 

ウチモモも取れました。

 

次はランプですが、まず邪魔な血管を取り除きます。

指で持ち上げて下にナイフを入れ、切り取ってしまいましょう。

 

ランプは四角にしたい(その方が大きさが均一で使いやすい)ので、先ほどのシンタマと同じようにランプの端と平行に切り落とします。

 

ランプも取れました。

 

最後は、モモとスネ。

モモからスネを剥がすように取っていきます。

 

スネ肉はモモ肉を少し覆う形で付いているため、下の青丸の部分から青線に沿って剥がすように取っていきます。

 

以下のような感じで取りましょう。

 

 

モモからスネが剥がれたら、イノシシの『後ろ足』の部位分けが完了です。

 

 

部位分け前と比べると、こんな↓感じ。

部位分け前

 

部位分け後

 

裏返すと、こんな感じ↓

 

 

これをそのままラッピング→冷凍しても良いのですが、最後に一つ。

 

モモの以下の青丸の部分には小さな(イノシシの大きさに関係なく約1cm×7mmくらいの)リンパがあります。

リンパは食感が良くありませんし、気になる方は脂身ごと取ってしまいましょう。

 

 

これで本当に最後。

各部位をラッピング&ラベリングして、冷凍庫に入れて完了です!

 

 

 

以上、長くなりましたが『猪の足の捌き方』でした。

 

自分で捌いてみたい方は、お試しください。

 

 

 

他の部位の解体方法は以下へ。

・胴体の解体方法(ロース,肩ロース,バラ,前バラの部位分け)

・腕(前足)の解体方法(ウデ,スネの部位分け)

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