どーも、トシです。
今回は備忘録。
能登の高級?な郷土料理とされる『かぶら寿司』。
亡くなった祖母が作っていたのですが、美味しいと思ったのは大人になってから。
そのため、祖母から作り方を教わらなかったのですが、3年ほど前から無性に食べたいと思うようになってました。
ということで、今回の冬は「聖護院カブ」を1畝作り、祖母の使っていた漬物樽と重石を洗い、自分で作ってみることに。
1,2度食べたことはあるものの、作るのを手伝ったことはありません。
『麹が一番大事』と聞いていたものの、市販の麹はどれも分量が違うため、手探り状態で作り始めました。
それでも、かなり美味しく仕上がったので来年以降の備忘録として残しておきます。
2018年は6kgのカブで作りました。前年よりも麹を倍に、魚は同量で作りましたが、美味しくできました。
2019年は同じく6kgのカブで、今回はブリとサバを倍量の麹で漬ける予定です。
用意するもの
まずは以下を用意します。
・漬物用の樽(15型以上)
・12kgくらいの重石(金属製のダンベルは液漏れで錆びるので不可:体験済み)
・測り(カブの重さ、塩の重さを測るため)
・45Lサイズのビニール袋(外に樽を置くため)
・使い捨て手袋(塩を使うので、あった方が良い)
・唐辛子1袋(輪切りタイプでOK)
・カブ20個ほど(今回は中〜大で4660gでした)
・塩(カブの重量の3%、今回は140g)
・塩鯖(この分量で中サイズ2匹分、3枚におろした身4本を薄めにカット、厚めにしてもう1匹増やした方が良さそう)
・米酢1本(鯖を漬けるだけなので、袋など使うならもっと少なくても良いかも)
・白麹450gを2つ(この分量でも作れるけど、美味しくするならあと1.5倍ほしい)
・柔らかめのご飯(白麹の半分、今回は450g)
・人参1本(千切りに)
・ゆず皮1個分(細切りに。香りをつけるだけなら半個分でよいかも)
カブを畑で調達できると安いですが、購入する場合は高くつきますね。
農協や直売所、または近所の農家さんを頼ってみると良いかと。
少量なら「プランター」や「発泡スチロール箱」でも作れたりしますよ。
その他かかるものとしては『麹』と『塩鯖』ですね。
麹が450gで500円、塩鯖1匹800円でした。
今回はカブを自前で用意しましたが、合計で3,000円くらいかかってます。
カブを購入したらもっと高くつきますね。
かぶら寿司が6切れ入って3,500円くらいで売られてますが、確かに手間や材料費を考えると納得の価格です。
完成までにかかる期間、作り始める時期
完成までにかかる期間は「気温」に左右されますが、今回の年末は平年並みの気温でした。(最低気温が2〜3℃くらい)
その条件下で、完成までに最低2週間、美味しく食べるなら3週間はかかると分かったので、仮に『年末・年始』に食べたいのであれば、12月上旬には作り始めたいところです。(カブの塩漬けに1週間、本漬けに1〜2週間)
今回は12/17に作り始めましたが、年末時点で漬けが浅かったため、次回はもう1週間早めに作りましょうか。
麹の量が増えると、また変わるのかもしれませんね。
1.カブを塩漬けにする
さて、準備ができたら作りに入ります。
まずは、『カブの塩漬け』から。
これに約1週間かかりますので、早めにやっておきます。
やることは単純で、
・カブを洗って皮をむいて
・厚さ2cm1cmくらい(薄い方が食べやすいです)に「輪切り」または「半月切り」にして、間に切れ込みを入れ
・カブ全体に塩(カブの重量の3%)を振りかけて
・樽で1週間漬ける
だけです。
以下、作業の画像。
この状態で1,2日経つとカブから水分が出て、内蓋の上くらいまで水が上がってきます。
もし2日経ってもカブ全体が包まれるくらいの水分が出てなければ、重さが足りないため重石を足しましょう。
ただし、この時に金属製のダンベルを使うと錆びた汁が混ざり込んで色々と良くないため(袋に入れててもダメでした)、重石にするものは「中身の入ったペットボトル」など、衛生的に不安のないものにしましょう。
これで1週間ほど置くと、水分が抜けてほどよく塩に使ったカブが出来上がります。
畑で育てたカブなら、この塩漬けだけでも甘塩っぱくて美味しいですよ!笑
2.麹をつくる
カブの塩漬け作業が完了したら、次は『麹作り』に入ります。
麹は冷蔵庫で保管できますので、早めに作っておくと楽ですよ。
麹作りの分量は、メーカーによって様々。
「甘酒を作る」というところもあれば、「柔らかめのご飯を2合炊き、そこに1合麹を混ぜる」というところもあります。
どうも、ご飯の割合を増やすと甘くなり、麹の割合を増やすと甘さが控えめになるようです。
祖母は『麹2:ご飯1』という割合で作っていたそうなので、今回はそれに従ってみようかと。
麹の量は増えますが、結果的にとても美味しく仕上がりました。
作り方は、以下。
・ご飯を柔らかめ(水多め)に炊く
・麹に60〜70℃くらいのお湯をかけて、ほぐす
・麹を鍋や炊飯器など「保温できる容器」に入れ、粗熱をとったご飯(今回は麹の半分の量)を混ぜ込む
・そのまま60〜70℃くらいで2〜3時間ほど保温→発酵させる
・全体が飴色になったら完成、ボールに移して冷蔵庫で保管
低温で発酵が進むと「麹」が生臭くなってしまうため、炊飯器を使う場合は高温で保温できるものを選びましょう。
鍋やボールを使う場合は、『バスタオルで包む』『こたつに入れる』などの工夫が必要になります。
以下、作業の画像。
麹は、発酵の時間が長いと茶色くなってきます。
そうなると癖も強くなってきますので、そうなる前に発酵を終わりましょう。
3.しめ鯖を作る
「カブの塩漬け」と「麹」が完成したら、次は『しめ鯖』を用意します。
しめ鯖を買ってきても良いですし、塩鯖を買ってきて米酢で漬けても良いでしょう。
魚屋さん曰く、しめ鯖は甘塩(薄めの塩)に調整されているため、長く漬けるには向かないとの事でした。
塩鯖や塩鰤を買ってきて、30分ほど酢に漬けましょう。
ちゃんと骨抜きがされているものを選ぶのが重要です。
また、漬ける酢は “醤油” と “みりん” と “酢” の「合わせ酢」でも良いし「米酢」だけでも構いません。
今回は『ミツカンの米酢1本+醤油大さじ3だけ』で2時間漬けましたが、ちょうど良くできました。来年もこの割合で作る予定。
(結局、翌年は米酢だけで漬けましたが、美味しくできました)
漬けた直後は酸っぱいだけですが、これが本漬けして2週間経つといい感じになります。
また、鯖は魚屋で切ってもらいましたが、厚さ8mm〜1cmくらいが食べ応えがあって美味しいですね。
ここらへんはケチらない方が良い感じ。
バットで漬けると酢をたくさん使いますが、ポリ袋で漬けて30分に1回くらい混ぜれば酢の節約もできそうです。
4.本漬け
「カブの塩漬け」「麹」「しめ鯖」が揃ったら、いよいよ本漬けに入ります。
(1)「人参」と「ゆず皮」を千切りにして
(2)樽の底に「麹」を敷いて
(3)カブの切れ目に「麹」と「しめ鯖」を挟んで樽に1段だけ並べ
(4)上から「麹」を塗って、「人参」と「ゆず皮」と「唐辛子」を振りかけ
(5)3と4を繰り返し
(6)重石をして漬ける
という流れです。
以下、作業の画像。
並べ終わったら重石をして、樽を涼しいところ(今回は午前中は直射日光の当たるベランダに置いてました)に置き、最低1週間、美味しくしたいなら2週間漬ける。
1週間だと「酸味」が目立つ味で、2週間だと「麹の甘さ」と「酸味」がちょうど良く混ざり合った味になる。
個人的には1週間でも美味しいけど、万人受けするのは2週間かな。
家族や友人に食べてもらったけど、みんなそういう感想だったし。
本漬け後は、タッパに入れて冷蔵庫で保管すれば、さらに2週間ほど保つ感じ。
反省・・次回に活かすこと
以上、かぶら寿司の作り方でした。
かなり上品な味なので、年末年始には最適ですね。
食べたい人はお試しあれ。
量を減らす場合、単純に全体の量を減らしてもらって構いません。
(半分にするなら、全材料を半分に)
でも、僕が次回作るなら「麹」と「塩鯖」は増やすかな。
それぞれ1.5倍にすれば、もっと食べ応えのある出来上がりになると感じました。
仕込んで、置いておくことで美味くなる。
漬物って投資みたいですね。笑