銃の猟期が終わって、はや1週間。
他の地域では『猪と鹿に限り3月末まで銃猟可能』なんてところもあるようですが、ここ石川では『罠にかかった獣の止め刺しのみ銃を使用可能』です。
かわりに、2月末までは「くくり罠」と「箱罠」、3月末までは「箱罠」による猪と鹿の捕獲が認められています。
今期もくくり罠で捕獲ができていなかったので、「月末までにはなんとか!」と思っていたのですが、願い通り “なんとか” なりました。
箱罠に入らなかった個体
僕は箱罠を2つ見回りしてるのですが、その1つの罠に年末頃から猪がくるようになりました。
足跡から見るに、およそ40〜50kgくらいの個体。
しかし、こいつが “箱罠を知ってる個体” なようで、入り口から20cm以内には近寄らないんです。ワイヤーも張ってないんですけれどね。
どれだけ続けても入り口手前の土を掘り起こすだけで、そこから一歩も近寄りませんでした。
そもそも、よほど警戒心が強いのか、入り口20cmに近づけるまでに2週間かかったほど。
最初は箱罠の10m手前までしか近寄りませんでしたから。
最初から箱罠の中程まで入る個体もいれば、全く近寄らない個体もいる。しかも、年齢や大きさに関係ないのが面白いですね。
その個体が罠を知ってるかどうかが全てなのでしょう。
さて、猟期外の期間であれば「箱罠」のみ使えるため根比べするしかありませんが、猟期中は違います。
捕獲する方法には「くくり罠」もありますから、試してみることにしました。
今年は暖冬で、このまま根比べしてても、近いうちに “米糠” から “タケノコ” に移ってしまうでしょうしね。
そうなると罠には寄ってこなくなりますから。
ファーレ旭の罠を導入
今猟期は、のとしし団の施設裏の山にて自作くくり罠を仕掛けていました。
相手は20〜30kgくらいの猪で、10回ほど踏ませることはできてたものの、逃げられてばかりでした。
そこで諦めて、既製品の罠を買ってみることに。
買ったのは、以前静岡の猟師さんが『これいいよ!』と紹介してくれた、ファーレ旭という所の罠。最近『イノホイ』という広告で紹介されてますね。年間300頭獲れる、とか。
こんな感じ↓の罠で
設置してみた感想などは『ファーレ旭のくくり罠を買ったので、自作の弁当箱型罠も改良してみた』にまとめてあります。
https://inohoi.com/recommend-item/1005
仕掛けた場所は、以下。
今回は、罠の周りに米糠を撒いてありました。
「獲れちゃったよ」
というのが、最初に見つけたときの正直な感想です。
月曜の朝、いつもの日課で箱罠+くくり罠の見回りに行った所、
いました。
左前足がくくられてるようですが、足の角度がオカシイ・・
たぶん、折れてるんだろうなぁ。。
しかし、それより厄介なのが、月曜から木曜まで用事が入ってるこのタイミングで獲れたこと。
止め刺しに銃は使えますが、日中だけしか使用が認められません。(日の出前、日没後の使用は原則違法)
見つけたときに自宅に戻って止め刺しするだけの時間はない・・・今の日没は17:30くらいだけど18:00くらいまで予定が入ってる・・・そもそも持ってる散弾銃ではスラッグは撃たない方がいいらしい・・・となると空気銃で止め刺しか・・・でも残圧ゼロだから入れ直さないと・・・以前よりも大きいけれど皮むきと解体はどこでやろう・・・
などを一瞬で思考した結果、翌朝の日の出とともにレインストームで止め刺し。
止め刺し後は、箱罠に吊るして処理することに決めました。
空気銃(PCP5.5mm)での猪の止め刺しは・・
念のため散弾銃とスラッグ弾、空気銃にポンプと大荷物で現地に行きましたが、
空気銃で余裕で止め刺しできました。箱罠によじ登り、上から脳天を狙って1発。
距離は10mないくらい。
『正面からは効かない』とは聞いてましたが、上からだと簡単ですね。
撃ってみた感覚だと、同じような条件なら60kgまでなら1発、最大で80kgくらいまでなら止め刺しできるんじゃないでしょうか。
スラッグで止め刺しするともっと放血が進むんですが、空気銃だと全然血が出ませんね。
この後、ナイフで頚動脈を切って血を抜きました。
45kgのオスでした
今回、初めてくくり罠での捕獲となった猪。
遠目ではメスに見えたのですが、残念ながら脂の少ないオスでした。
ですが、自分で命を奪った相手ですし、しっかりと美味しい肉にしていただきます。
皮むきは・・・雨の降る夜の山の中でやってきました。
すぐ隣が墓地で、過去にタヌキ1、イノシシ3を仕留めた場所っていうね。
皮むき中は時々目の端に白いものが入りましたし、帰宅後風呂とリビングの電気が同時に切れるということがありましたが、気のせい&単なる偶然でしょう。
とりあえず、色々と初めてすぎて、少しだけメンタルが強くなりました。
1人で山に入るのが怖くなくなったかも。
以上、初めてのくくり罠による猟果報告でした。
ただ正直なところ、「狙って獲った」という感覚ではないんですよね。
今回は餌で誘引して捕獲してるだけなので。
くくり罠の醍醐味は『獣道を読み狙って獲ること』だと思っているので、次はその方法で獲ってみようかと思います。
また、気づくことがあれば記事にしますね。