ご無沙汰しております。トシです。
更新したいことは多々あったのですが、猟期が終わって、すっかり腑抜けてしまいました。
3月末〜5月下旬にかけて、ここ羽咋周辺からは猪がいなくなるのも、その原因です。
とはいえ、日課の箱罠の見回り+餌やりは続けていますよ。(今年度は駆除隊には入れませんでした・・)
今回、箱罠の位置を移動したので、その設置場所などについて思うところを。
元の箱罠の設置場所
さて、1年ほど前から見回り+餌やりを担当していた箱罠。
元々はここに設置していました。
地面が黒くなっているのは、全て「雨で腐って土に還った米ぬか」です。
あまりに獲物が来なさすぎて、こんなことになってしまいました。僕らものたれ死んだらこんな感じで土に還るんでしょうか。
そして、中にはウジ虫が沢山いるという。腐って箱罠の底にへばりついて、臭いし重いしで大変でした。
先輩猟師に移動を手伝ってもらいましたが、本当に申し訳ない気持ちで一杯です。
ここまで酷くなってしまったこの箱罠ですが、一応夏〜晩秋にかけては獣が入ります。
しかし悲しいことに、猟期終わりの3月〜5月下旬にかけては全く入らない!!
その理由は、、『そもそも獲物がいない』のもあるのですが、1年かけて気づいたことがあるので、箱罠の位置を次の場所に移しました。
新しい設置場所はここ
です。
携帯のカメラでは全然分かりませんが、拡大するとピンクのリボンの右に見えるはず。
以前の場所から3段ほど山に登った、地面が平らで、夏には木や草が生い茂る場所です。
【猪の捕獲用】箱罠を設置する場所について
この場所に移動した理由は2つあります。
1つ目は、猪がより罠に近づきやすいようにするため。
2つ目は、畑へ行く個体を減らすためです。
1.箱罠は猪が近づきやすい場所に設置する
この罠の設置場所ですが、以下のような立地となっています。
赤丸が元の箱罠の位置ですが、ここは山から完全に出た場所で隠れるものが無く、そのうえ夜でも交通量のある道路が50mほど先に見えます。
猪は本来臆病な動物なので、基本的に草の中や木々の根元を通って移動します。
隠れるところがなければ、その道はよほどの理由(「橋などで他に道がない」など)がない限り通りません。
猪の視点からこの場所をみると、山の中は隠れる場所が多くて安心できますが、元の箱罠の位置は近づくことさえストレスに感じる場所。
猟期中も、たった1段山側に登っただけで沢山の足跡を見つけられたのにも関わらず、この箱罠の周りにはほとんど寄り付きませんでした。
猪を捕獲するのであれば、まずは箱罠に近づいてもらわないと話になりません。
そこで、より安心して近づけるように、山の中の、しかも木々や草の多い狭い場所を選びました。
2.山の中で十分な食事にありつけるのであれば、猪は麓に降りてこない
そして猪は、十分な食事を山の中で確保できるのであれば、あえて人のいる麓に降りて来ようとはしません。
食事が不足する時期(子供の多い夏や、食べ物の少ない晩秋〜早春など)以外は、基本的に山の中にいます。
しかし、箱罠は餌で猪を誘引することになるため、餌に近くの畑の作物などを使ってしまうと、作物の匂いや味を覚えた猪が畑を荒らすこともあります。(リンゴや梨などの果樹園でよくある話)
ここらで一般的な餌は「米ぬか」ですが、やはり猪を誘引することになるのは間違いありません。『入り口の米ぬかは食べたけど、奥には行かず近くの畑に行った』という話は、近くの猟師さんからよく聞きます。
そこで、この場所は山と畑の間に『猪にとっての警戒ゾーン』があるので、罠=餌場を山の中に設けることで、より畑に寄り付く機会を減らせると考えました。
猪が多くいる場所では餌が不足して意味がないでしょうし、結果は検証してみないと分かりませんが、猟期中に山の中で餌を撒いて歩いてみた感じでは、上手くいきそうな気がします。
今年度も色々と試してみます
今年は暖冬だったせいか、去年に比べて猪の脂も少な目。
去年は夏でも脂が乗っていましたが、今年はもうガリッガリです。
でも、肉の旨さは変わりませんし、一年中狩猟が楽しめるというのはなかなか良いものです。
残念ながら駆除隊には入れませんでしたが、今年度も色々と試してみようかと!
また何か進展あったら、更新しますね!
バイクフル装備で見回りをしていると、よくツーリングライダーと間違われますが、見かけたら手を振ってもらえると喜びます(笑)
それでは。